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プリズムメガネ

プリズム入りのメガネ(以下、プリズムメガネ)は、
斜視や斜位に伴う複視や眼精疲労の軽減策として選択されることが多いです。

プリズムというのは、別項で説明しました通り、光の進路を変化させる効果があります。

プリズムメガネを調製する際には、「光の進路をどの方向に、どれくらい変化させるか」を考えなければなりません。

変化させる量は「プリズムジオプトリ―」の大小で変わります。

どのくらいのプリズム量にするかは、
その人の斜視(斜位)の大きさ、
その人の持っている外眼筋の筋力の強弱、
プリズム装用時の違和感の大小、
など、さまざまな要素によって変わってきます。


変化させる方向は「基底(BASE)」の方向によって変わります。
斜視や斜位の種類によって、基底は決まってきます。

上記は4方向による基底の分類ですが、角度で表すことも可能です。
ベースイン・アウトの場合は、左右眼で角度が変わります。

実際は、このように角度で表すのは、斜め方向に複視が生じている場合でしょう。

たとえば、右眼20度 左眼200度といった感じです。

これは、テストフレームに装着させるための、プリズムテストレンズです。
基底方向に黒い線が引いてあります。

基底内方(ベースイン)であれば、黒い線が鼻側にくるようにテストフレームへセットします。

ちなみに、たとえば「4プリズムジオプトリ―(4Δ)」の基底内方が必要であれば、どちらかの眼に
4Δを装着させるのではなく、
片眼2Δベースインずつ、つまり左右で折半となるように振り分けるのが一般的です。

上下の斜視(斜位)でプリズムを振り分ける場合は、左右で基底が逆になります。
4Δのベースダウン効果が右眼に働くようにするのなら、
右眼に2Δベースダウン・左眼に2Δベースアップを配置します。

なお、左右で折半するのは、外眼筋の神経支配の特性や、仕上がった時のレンズの厚み感などを踏まえた上で、あくまでも一般的にということであり、絶対にそうしなければいけないということではありません。

また、右眼にベースイン・左眼にベースアウトといった具合に、基底の上下左右を揃えるケースもありますが(Yoked Prism)、

これは眼球振盪があったり、脳障害で空間把握がおかしくなってしまった場合など、特殊な場合に用いられます。


プリズムメガネを調製する場合、通常は基底方向にレンズの厚みが増大します。

私はベースインプリズムのメガネを装用しておりまして、鼻側に厚みが出ています。

フレームサイズと瞳孔間距離の兼ね合いによっては、必ずしもそうなるとは言えないのですが、
近視のメガネは耳側、遠視のメガネは鼻側が厚くなるのが一般的です。

ですので、耳側が厚くなる近視のメガネに、耳側が厚くなるベースアウトプリズムを組み合わせると、
耳側の厚みが増大することになります。

そのため、プリズムを組み込む場合は、レンズのどこに、どのくらいの厚みが出るのかを踏まえて、
フレームやレンズを選択することが、見栄えの良いメガネに仕上げるために重要になります。


なお、プリズムというのは万能ではありません。
眼精疲労とか肩凝りなどで悩んでいるかたが、プリズムメガネを指定してご来店されることがあるのですが、プリズムというのは必要性を裏付けるデータがあるがゆえに組み込むものです。

当店でお調べした結果、必要がないと判断した場合には、プリズムを組み込むことは致しておりません。

プリズムを入れなくても、度数を考慮することで不具合が解消することは少なくありませんし、
デスクワークが長い場合は姿勢の悪さをはじめとする、眼や眼鏡以外の原因で不具合が生じている可能性も否定はできません。

また、プリズムを装用することで、床や壁が膨らんで見えたり凹んで見えたりといった、
空間の違和感を感じられることもありますし、これまで両眼視をされていなかったかたが、
プリズムメガネを装用することで両眼視を強いられることになると、かえって疲労感が出ることもあります。

慣れる・慣れないは個人差もありますので、良かれと思ってプリズムを入れてみたけれど、
結局プリズムがないほうがよい、ということになったケースもございます。

まずは一度ご来店の上、ご相談くださいませ。
なお、医療機関の受診がお済みでない場合は、先に受診をお願いすることがございます。
特に、突然複視になった場合は、当店に相談される前に、至急眼科・脳外科等へ足をお運びくださいませ。


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